第2章では、Blenderの画面に慣れることを目的にしています。
何事もはじめておこなうものに対しては慣れることがありません。使い続けることで慣れていきます。Blenderも同じです。何度も画面を見ることで、自分の中にBlenderの画面が違和感なく入り込んでくるようになります。
Blenderを初めて起動したときに出てくる画面を見て、どこにどのようなツールが配置をされているのか、確認をしていきましょう。
Blenderを初めて起動したときの画面の位置確認
基礎知識を学び、インストールとダウンロードが無事に終わりました。いよいよBlenderのソフトを開きます。
パソコンのソフト一覧にあるBlenderのアイコンをダブルクリックして、ソフトを起動させましょう。
起動時の注意点
ここで注意点があります。バージョンやパソコンのOSによって、Blenderを開くときに、最初に黒い画面が出現して本ソフトが起動する場合があります。黒い画面のときにその中をマウスなどでクリックすると起動しなくなります。
例えば、他のデータ量が多いソフトでも、アイコンをダブルクリックすると「ソフト読み込み中…」などの画面が出て、その後にソフトが起動すると思います。
黒い画面はBlenderのソフト情報を読み込んでいる画面になるので、このときにマウスなどでクリックをすると、コンピューターが起動プログラムにはない動作が加わったとしてパニックを起こします。パニックを起こすとBlenderが起動しません。
そのため、黒い画面が表示されている間は触らないように気を付けましょう。時間にしてアイコンをダブルクリック後、3秒~5秒くらいでしょうか。
黒い起動画面が出ない場合は、そのまま初期画面に移行します。
機能を塊として配置がされている
無事にソフトが起動をしたら、次のようになっていると思います。(配置に関して、バージョンの変更により多少の違いがあるかもしれません。また、画像は日本語表記になっていますが、英語表記の場合でも後で変えることができるので安心してください)
- 「1」infoツールバー …Blenderの管理画面・最適なUIに即時変更可能
- 「2」3Dviewport(3Dビュー) …モデリングをする場所
- 「3」Scene Collection(シーン) …オブジェクト情報全般の設定
- 「4」Properties(プロパティ) …出力設定、オブジェクト設定等
- 「5」Time line(タイムライン) …時間軸
「2」の「→」は、編集ツール(Select Box / Draw)の格納倉庫や視点変更、表示方法の切り替えなどを行うことができます。モデリングをしていく中で、使用頻度が高いツールになります。
Blenderを起動すると様々なボタンがありますが、まずは画面を確認しましょう。「Blender v.2.79」以前までは、わかりにくいUIとして悲しい定評がありました。3DCG初心者泣かせの初期画面だったのです。何をどうしていいのか、何からどうはじめてよいのか、まったくわからない…。そんなUIでした。
Blender v2.49以前はさらに…。
大きくUIが変更されました。Blenderは進化を続けています。進化を繰り返したBlenderは「バージョン2.8」に突入し、それから4.0以降でもその確率されたUIを維持しています。
現在、起動をしてるBlenderは2.8以上に採用されているUIだと思います。この画面は過去と比較すると、月とスッポンぐらいわかりやすくなっています。
「1」infoツールバー
Blenderの全般を設定する項目です。「セーブ」・「インポート」・「エクスポート」・「詳細設定」など、ソフト全体の設定はこの場所で行います。
その横に、「layout」・「Modeling」~(日本語表記だと、モデリングやスカルプトなど)…、のボタンがあるので押してみましょう。画面が切り替わることが確認できると思います。
これは、Blenderが「このような画面にしたら制作がしやすいですよ」とお勧めしている画面になります。Blenderでは自分のやりやすい画面に手動分割をすることで同じことができますが、はじめからBlender側で設定しているため、時間短縮に繋げることができるメリットがあります。
「2」3Dviewport(3Dビュー)
この画面がなければBlenderでは何もできません。モデリングをする一番重要な場所です。
初期画面では立方体が表示されていると思います。その他にも、「カメラ」・「ライト」がオブジェクトとして配置されています。Blenderではこの画面を見ながら、3D空間上で視点を動かしてモデリングをしていきます。
最も頻繁に利用する画面なので、目を慣らしておきましょう。
「3」Scene Collection(シーン)
重要になる場所であり、いわゆる「格納庫」です。制作をしているすべての情報がこの中に集まります。細かい管理もこの中でしていきます。
例えば、レンダリング(画像出力)に反映させたくない場合や、他のモデリングの邪魔になるため一時的に非表示にしたい場合など、CG制作では多々そのような場面が出てきます。使い慣れてくると非常に便利な機能ツールになります。
はじめのうちはごちゃごちゃとしてしまうので、この画面はゆっくりと慣れていきましょう。一度慣れると、Blenderの素材などを管理しやすくなると思います。
「4」Properties(プロパティ)
プロパティではオブジェクトの設定をおこないます。これは「カメラ設定」・「ライト設定」・「背景」なども含まれます。
オブジェクトに色をつけたいときにもこの場所を利用し、場合によってはノードと呼ばれる機能も使います。また、パーティクルシステムや物理演算など、CGらしい設定ができる項目です。
「5」Time line(タイムライン)
主に動画を作りたいときに使用する、時間を表示する部分です。
テレビ映像は1秒間に約30コマ(29.97fps)が使用されています。日本のアニメは8コマ~24コマが基本です。
実写をスムーズに見せるスピードと、アニメ画像をスムーズに見せるスピードは異なるため数字が変わります。どのように見せるのかにもよりますが、違和感のない動画を作る場合には、1秒の動画に「24枚~30枚」の画像が必要です。
その画像をコンピューターが繋ぎながら1秒の動画にしていきますが、3DCGで動画を作るには途方もない時間がかかります。
では、枚数を減らしたらどうなるのでしょうか?
1秒間の画像が減るので完成までの時間は少なくなりますが、その完成した動画はカクカク漫画(パラパラ漫画)のようになります。違和感はあるもののギリギリまで減らせる枚数は8枚でしょうか。いろいろ試してみると、肌感覚でわかりやすいと思います。
まとめ
Blenderの画面に慣れないうちは、覚えるのに大変です。しかし、慣れてくるとアレルギーも出なくなるので、時間がない場合には慣れるまでBlenderの初期画面だけでも見るようにしましょう。毎日見ることで、目がツールの場所に慣れてくると思います。