Blenderとは、仮想空間に物体を作り上げるためのソフトウェアになります。では、このソフトでどのようなことができるのでしょうか?
3DCGを試すことができるのは知っているけど、何をどうしたらいいのかわからない…
当サイトでは「モデリング」や「シミュレーション」の使い方などを学ぶことができます。尚、この章ではBlenderに関する基本知識を構築するためのカテゴリーになります。
Blenderって、そもそも何?
習得したい、そのために使用するソフトは「Blender」と呼ばれる3DCG制作ソフトです。
このソフトは、「モデリング」・「画像出力」・「エフェクト効果」・「動画編集」・「合成」・「2D/3D」など、CGを制作するためのツールが一通りできる、総合ソフトになっています。
当サイトの動作環境は「Mac OS」環境で解説をしていますが、「Windows OS」環境でも、「LinuxOS」環境でも同じようにすることができます。
Blenderのソフトは日々進化や改善が行われているため、バージョンによってはUIなどの多少の違いはありますが、基本的な使い方は同様にできると思います。
なぜフリーソフトなの?無料で使えるBlenderの謎
Blenderはオープンソースで配布がされているため、「無料」で使用することができます。
「0円のタダ」で使うことができますが、有料のソフトに負けないほどの機能を搭載しているのが大きな特徴であり、世界中の人達から支持がされています。
では、なぜ無料で開発を続けることができるでしょうか?
それは世界の有志たちにより、「募金」という形をとっているからです。開発者を筆頭にして、Blenderのユーザーが「Blenderソフト」を育てているということ。
これは、Blenderを使用しているユーザーが、新しく求めている機能を素早く搭載することができるメリットでもあります。つまり、開発側に声が届きやすいということです。
「映画」・「ドラマ」・「CM」…
CGを使用する場面は多いです。最近では技術の向上により現実のものと変わらないほど、クオリティーの高い作品が続々と生み出されています。
テキストから生成されるAIが話題を集めていますが、Blenderでは人が考えて、部品を組み立てながら形にしていくため、作品に人間味が出やすくなります。
「すごい!これ、どうやって作ってるの?」
CG映像を見て、一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか?
これらのCGは、パソコンを使用して「モデリング」と呼ばれる方法を使いながら一つずつ形にしていくのが基本です。
現実では難しい世界を、CGを使うことでイメージしながら形にできるため、妄想好きにはたまらないツールになります。
例えば、現実世界では絶対に不可能な「虹の上を歩く人」を映像の中で見せたり、動物が会話をしている姿も見せることができます。
アイデアは無限大です。
3DCGを楽しむためのソフトはたくさん存在しますが、中には数十万円~数百万円かかるものまで…
使用するには価格が高い…
その反面、Blenderは0円です。フリーソフトで使うことができます。機能も決して妥協をしていません。 本当に素晴らしいソフトだと思います。だからこそ、募金が重要になるソフトでもあるのです。
過去には有料だったBlender
無料で使えるCGソフトのBlender。
フリーソフトで使用することができるのは、ユーザーの募金があるためです。ただし、実は初めは「有料ソフト」でした。
Blenderは有料からスタートしたソフトになります。
元々、Blenderの会社はオランダのCGスタジオ「NEOGEO」社に在籍していたトン・ローセンダール氏が、1989年に「インハウス・ツール」として使用していたのが始まりです。
「Traces」の後継として開発を行う為に「Not a Number Technololgies(NaN)」社を設立しました。設立したのは良いのですが…
2002年にNaN社は倒産。
会社経営はなかなか難しいのが実情。これからといったときにBlenderは姿を消そうとしていました。
その危機を救ったのがトン・ローセンダール氏。これまで共に仕事をしてきた相棒とも言えるBlenderのツールを簡単には手放すことができません。
そしてついに誕生します。
彼は「Blender Foundation」を設立。
ここから新しくなったBlenderの第二章が始まることになります。トン氏がいなければBlenderは存在していません。しかし、会社を設立する以上は、お金を稼がなければ続けることができません。Blenderの維持にはある程度の開発費が必要になります。
「さて、これからが問題だ。開発資金をどうしたら…」
そこでトン氏は考えました。
「ソースコードの開放」
運命を大きく変えた合言葉です。
Blenderの命運はこの言葉に託されます。そして、「開発費」・「使用料」はすべて募金で集めることにしました。そのためにキャンペーンを開始。
すると、予想以上に募金を集めることができたのです。Blenderのソースコードを再びその手に戻すことができました。
現在のBlenderも募金を募っています。
GPLの元、オープンソースウェアとして世界中のユーザーが開発をしながら無償配布がされています。
最新技術を惜しみなく搭載するBlender
Blenderには機能がこれでもかというほど、多数が詰め込まれています。
そのため、はじめてBlenderを起動したのは良いものの、何から手を付けていけばいいのか迷子になる人も多いです。
当サイトのマニュアルでは、可能な限りわかりやすく説明をしています。バージョンが上がるたびにソフト本体の改良がされていますが、基本的な使い方は同じなので大丈夫かと思います。
まずはBlenderの基本的な操作から学びましょう。
- ダウンロードの仕方
- UIの見方
- オブジェクトの移動・回転・拡大縮小
- モデリングの仕方
など
基礎がわからないと、自分の好きなモデリングをいきなり作るのは難しいです。また、Blenderで制作したものは、有料ソフトの「3ds Max」・「Maya」はもちろんのこと、Unityゲーム開発ソフトなどにも送る(変換)ことができます。
2Dと3Dが出力可能なBldner
通常の画像には、「2D画像」と「3D画像」があります。
2Dは「正面×横面」を表しており、主に「写真」・「図面」・「地図」などが該当します。対する3Dは「正面×横面×奥行き」が該当します。現実世界の空間です。奥行きが加わることで、2D以上の立体感を表現することが可能になりました。
Blenderは3DCGソフトですが、2D画像も出力をすることができます。
かつてはメモ程度にしか使われていなかった「グリースペンシル(Grease Pencil)」という機能が、Blender2.8以降で大幅に強化されました。2D漫画も簡単に作ることができます。もちろん、動画として出力することも可能です。
この他にも、映画やドラマなどで実写とCGを合成する「マッチムーブ機能」も搭載されています。Blenderのカメラトラッキング機能を使い、CG合成を使うことで面白い映像作品が作れます。
3DCGを制作する流れ
- モデルをモデリング(作る)
- 色・模様をつける
- キャラクターが動くようにボーン(骨)を入れる
- 静止画やアニメーションを出力する
静止画は(イラスト画像)「2」まで。
動画(アニメーション)は「4」まで。
Blenderのソフトには機能が多いため、すべてを覚えるには時間がかかります。覚えている間に新規機能が追加されるため、まずは基本的なことから焦らずにゆっくりと覚えていきましょう。